北野天満宮 瑞饋(ずいき)祭 ご神幸

1日、北野天満宮(京都市上京区)では瑞饋(ずいき)祭が始まった。

かつて盛大に行われていた「北野祭」の復興を目指す北野祭保存会と北野天満宮と合同で行われている。


1日は神幸祭で、八乙女や稚児、時代衣装に身を包んだ人等や神輿、鉾、花傘などが、本社を出発して氏子地内を練り歩き、御旅所まで神幸した。

御旅所では着御祭が行われ、御神霊に八乙女が田舞・鈴舞を奉納(着御祭)。

この瑞饋祭は氏子の祭に、明治に入って神幸祭が取り入れられて現在の形になったといわれている。

この瑞饋祭は1日の神幸祭と4日の還幸祭まで御旅所に鎮座され、5日の后宴祭で終わる。

特に4日の還幸祭は「おいでまつり」ともよばれ、単に菅公が御旅所からお戻りになるだけでなく、「菅公が大宰府でお隠れになって、御霊が神様となって北野の地においでになる」という北野天満宮のご鎮座の由来を回顧し再現する意味を持っている重要なお祭り。


北野祭は平安時代に西之京神人(じにん)が五穀豊穣を感謝して、菅原道真公の神前に、新米・野菜・果実、花々を飾り付け、お供えしたのが始まりといわれている。永延元年(987)一條天皇からの使者である「勅使」が派遣される勅祭となったが、応仁の乱で途絶えたが、現在は8月4日の例祭「北野祭」として本殿で神事のみ執り行われている。

なお北野祭保存会では令和9年の北野祭復興を目標としており、北野祭を伝える「北野祭礼図絵巻」を参考にして西陣織や刺繍を施した「花傘」を復活させるなど取り組んでいる。


出発に際してお清めをする八乙女

三基の御鳳輦が行列の中心  第三鳳輦・綱持


江戸時代の「祭礼図絵巻」を参考復刻された花傘。

花傘 鉾留に季節の花々に稲穂など秋の収穫祭で五穀豊穣を感謝する 花傘も剣鉾や榊などとともに神の依り代となる。

獅子が先行 獅子にかんでもらうと厄払い、無病息災で元気に過ごせると信じられている。九州から修学旅行で来ていた学生さんたちは自ら「噛んでください」と獅子を呼んだ。「天神さんの祭りでかんでもらったら学業にも効果あるかも、テストや先受験もあるし」と話してくれた。


御旅所に着座された神前で舞う八乙女(田舞)





(※10月2日、引き続きずいき祭のずいきのことについて連載します)




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